最近の新聞報道によれば、障害者の就職に追い風が吹いているとのことです。

要因の第一は、昨年の障害者雇用促進法の改正によって、民間企業における障害者の法定雇用率が、従来の1.8%から2.0%へと引き上げられたことでしょう。

ここで障害者の法定雇用率とは、各団体で達成すべき身体障害者と知的障害者を合わせた雇用者数を全社員数で割った数値のことをいいます(精神障害者については現時点で雇用義務はないですが、雇用した場合は雇用率算定の際の分子に組み込めます)。

第二の要因としては、最近の雇用情勢から想像がつくように、人手不足があげられます。

これを受けて人材紹介会社でも専門部署を創設する動きがあるようです。

障害者雇用については毎年6月1日時点でのデータが集計されて同年の11月に発表されることになっていますから、今年の数値はまだわかりません。

そこで昨年度の数値をみますと、雇用率は1.76%に達し、過去最高だそうです。

他方、法定雇用率達成企業の数は42.7%となっていて、これは前年対比で4.1%ダウンです。

おそらくは、法改正によってクリアーすべきバーが上がったこと、達成義務のある企業規模が引き下げられて分母が増えたことが原因でしょう。

なぜ障害者雇用をするのか?

「それは、法律でそうなっているから」と答える方は正直です。

普通に考えれば、健常者をより優先して雇用したくなるのは合理的です。

ただ、今回の第二の要因をみても分かりますように、実利的な理由ではあれ、障害者の方を戦力として期待する機運も高まってきています。

これが一時的ブームではなく、継続的形態になることを願うところです。

ところで、障害者の方を雇用する際の難しさとは何か?

以前は、障害者に対する理解が進みにくいとか、バリアフリー等の設備上の理らは解決されつつあるように感じます。

いろいろ聴いてきた経験からすると、むしろ重要なのは「適切な業務を継続的に与えることが難しいから」ではないでしょうか?

障害を理解し、施設もそのように配慮しても、障害者の方に仕事がなければ、辞めてしまう可能性が高くなると思われます。

どうすれば適切な業務が配分できるか?

第一は、最近のロボット化をみていて気付いたことです。

ロボットが人間と共存して業務遂行ができるのは、仕事内容を分析し、細分化し、ロボットに任せるべき業務を適切にあぶり出したからです。

障害者の方とロボットを同列に扱う気持ちはもちろんないですし、たとえとしては適切ではないかもしれませんが、「業務の分析、細分化、適切な業務の抽出」というプロセスは、与える業務を考える際にも有用だと考えます。

障害者の方とて特殊な存在なのではありませんが、障害が理由で不得手な部分がどうしてもあります。

このプロセスで適切な業務を抽出して与え、そこで研鑽を積ませつつ、さらに新規業務に従事する可能性を探ればよいのだと思うのです。

第二は、業務形態の考案です。

たとえば、通勤が困難なのであれば、在宅勤務の併用も考えればよいでしょう。

別会社を作ってそこで勤務してもらうやり方も、制度上だけでなく、現実的にもあると考えます。

派遣会社の場合、障害者雇用は、自社の法定雇用率達成の面のみならず、人手不足感のある現在において新しい雇用方法を生み出す源泉にもなり得るものとしても重要だと考えます。

2018年には、精神障害者についても雇用が義務化されます。

実利的理由で大いにけっこう。

いろいろな分析を通じて、障害者の方々に適切な業務を見出し、生きがいをもって働ける職場を築いていただきたいと思います。

派遣の仕事

社員を採用する時に面接をしていると、応募者が自分の長所を十分につかみきれていない人が多いことに気づきます。

転職市場が様変わりしていて、中途採用に応募してくる人は、社会経験がある人ばかりではありません。

私たちも転職経験がありますが、以前は、正社員を経験した人が、何らかの理由の下に退職を決意し、次のステップに進むものだったはずです。

それが今では、新卒での就職に失敗し、さしたる社会経験を持たずに、転職市場を転々としている若者が多いのです。

そんな人が派遣会社の登録にやってくるのです。

この場合、自分に自信を持てない人も多く、経験も実務能力も兼ね備えていないため、自分をアピールできずに面談が進んでしまいます。

派遣会社のコーディネーターも決してみんながみんな経験豊富とは限らず、中には、新任のコーディネーターが面談デビューするというケースにぶつかることがあります。

この場合、普通のコーディネーターには、「ダメな人」「使えない人」と映ってしまうことが多いのです。

これでは、面談担当者として失格です。

しかし、そんなコーディネーターが増えていることも事実です。

派遣会社のコーディネーターは、目の前にいる人を売り込む役割を持っているのです。

どんな人でも売り込むのがプロのコーディネーターです。

決して、人を欺いてまで売り込めと言っているわけではありません。

ところで、売り込むためには、何が必要でしょうか?

それは、その人が持っている「いいところ」、つまり「長所」を見つけることなのです。

そのため、面談に望む際には、長所を引き出すための演出が必要になります。

どんな質問をすれば、長所がつかめるのか、事前にその人のデータを見ながら、面談のデザインをすることがプロの仕事です。

行き当たりばったりの面談では、決して見抜くことできません。

でも、勘違いしないで下さい。

見抜くといっても、○×をつけることではありません。

ここでいう見抜くとは、どんな職場で、どんな業務に従事すれば、その人の能力を最大限発揮してもらえるかをつかむことなのです。

新人のコーディネーターは、そこが磨かれていないことが多いのです。

新人とは、若い人だけではありません。

今まで、自社の採用にかかわってきた方でも新人です。

自社の採用面接と派遣の登録面談は、趣旨が全く異なります。もし、採用面接の感覚で臨んだとしたら、スタッフから嫌われることになると思います。

その結果、優秀な人材に仕事紹介しても、「OK」という返事をもらうことができないのです。

そのためにも、派遣会社のコーディネーターとしての面談の基礎を勉強しなければなりません。

長所が引き出せれば、仕事を紹介してもスタッフは、自信を持って派遣就業することができるはずです。

また長所と同時に、弱いところも具体的につかんでいるので、そこは課題として克服するようにしていけば、派遣先の評価が向上していくのです。

最初から、100%の人選などできません。

派遣就業中、いかに100の人選に近づけられるかが、派遣会社の腕の見せ所です。

さあ、さっそく他社との差別化をはかる準備にとりかかりましょう!

派遣の仕事

安倍内閣の女性閣僚2名が同日辞職したため、国会の審議がストップしています。

派遣法再改正法案も10月23日から審議開始する予定でしたが、28日にずれ込んでしまいました。

改正法案には、維新の党など、改正に賛成している野党もあるため、成立の可能性は高くなっています。

きちんとした審議を行ない、成立にむけて進んで欲しいと思います。

派遣の仕事

求人情報の入力項目の中で、一番大切だと言われるのがキャッチコピーです。

インターネット求人サイトでは、TOPページの検索→検索結果の一覧→求人の詳細情報→応募フォーム、が基本的な構造です。

検索結果が数十~数百件と出てきた場合、検索結果の一覧を眺めながらどの求人がいいかを見ていきます。

この時に一番目に付くようになっているのが、キャッチコピーなのです。

求人自体がとびきりの条件であれば、テクニックは不要かもしれません。

しかし、現実はそうはいきません。

他社も掲載している求人、給与が安すぎる求人など、掲載する際に悩む求人が多いのではないでしょうか。

そこで、今回はどんな求人情報でも使えるキャッチコピー作りの王道テクニックをご紹介をさせていただきます。

■メリット訴求

求人のアピールポイントを、キャッチコピーに盛り込めているかが大切です。

具体的には、勤務日数と募集条件を入れること。

アピールポイントに悩む求人の場合、この2項目を徹底的に掘り下げて、ポイント洗い出し、優先順位付けして盛り込んでいくのがおススメです。

続いて、文章を見やすくするためのテクニックを事例付きでご紹介します。

■最適な文字数に調整する

大手検索ポータルのGoogleやYahooで、検索結果に表示されるタイトル文字数は、Googel PC30文字、スマホ34文字。Yahoo PC35文字、スマホ20文字です。

また、多くの求人サイトのキャッチコピーの文字数上限は、40文字~60文字が一般的です。サイトによって多少の差異はありますが、1行で折り返しがない文字数が一番見やすいと言われています。

実際、過去にキャッチコピー文字数と詳細画面の閲覧率の相関を調査した結果、40文字前後が最も閲覧率が高く、100文字をピークに大きく減少していました。

■漢字のカタマリを防ぐ

文章の中の漢字のカタマリ、割合で見やすさを上げることもできます。
漢字が密集していたり、漢字が多いと検索結果画面で目に留まりづらくなってしまいます。

実際に、以下の3つを見比べて下さい。

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記号やスペースを入れる、あえて平仮名や片仮名に変換することで、漢字のカタマリを防ぐことができます。

他社と競合する求人、給与が安い求人を出稿される際には、ぜひ参考にしてみて下さい。

派遣の仕事

26業務が撤廃され期間制限の在り方が変更されると、26業務で派遣を受け入れていた派遣先は、派遣の活用を根本から見直さなければいけません。

例えば、IT業界では、業界の人手不足に、さらに拍車をかけることが懸念されています。

来年10月1日から施行される「労働契約申込みみなし制度」にも、注意を払わなければなりません。

この制度を甘く見ていると、思わぬトラブルに陥ります。

IT業界では、常駐技術者に直接指揮命令するにもかかわらず、派遣契約ではなく委任型の契約を結んでいる場合が多く見られます。

これは、偽装請負に当たり、「労働契約申込みみなし制度」の対象になります。

このケースでは、常駐している技術者が1人や2人ではなく、数十人にのぼるケースもあります。

その全員を委任先が雇用契約を結んだとみなされるのです。

「派遣法再改正」に加え「労働契約申込みみなし制度」についても、法律の中身をよく理解して体制を整えるなど、今から準備を進める必要があります。

派遣の仕事

通常国会で派遣法が廃案に追い込まれた原因は、条文のミスにあったことはご承知のことと思います。
野党は、法案を取り下げ、修正した上で再提出することを主張しましたが、政府は、正誤表で対応しようとしましたが、結果野党の反対に合い廃案となってしまいました。
今回は、ミスのあった箇所を修正し原案通り国会に法案を提出しました。

野党の一部には、法案の内容そのものに反対する動きもありますが、臨時国会では、派遣法改正以外に、大きな法案がいくつもあるわけではなく、十分な審議期間を取れることから、現時点では、成立の見込みは高いといえるでしょう。

尚、法案では、施行時期は、2015年4月1日のままになっています。
臨時国会の会期が11月30日までとなっており、会期延長されたとしても、大幅な延長は見込めないため、12月上旬には、成立し法律が公布されると考えられます。

国会の審議内容を踏まえて、制度改正の詳細を規定する省令や指針が確定するので、詳細確定から施行までの期間は、当初の予定から大幅に短くなります。

派遣元はもちろんのこと、派遣先も早急に情報を収集し、短期間に対応準備を進めていかなければなりません。

改めて、情報収集し、理解を深めて、派遣先へ再改正法案の内容を伝えるとともに、期間制限の在り方の変更、特定労働者派遣事業の廃止などにむけて、派遣先と対応策を考えるようにしなければいけないでしょう。

派遣の仕事

景気回復により企業の求人が増えたことに加え、労働契約法の改正等により、有期雇用労働者を無期雇用に転換する企業が増えるなど、労働者の流動化に変化が生じています。
優秀な人材は、有期雇用・無期雇用にかかわらず企業に囲い込まれるため、人材派遣会社のスタッフ集めは、今まで以上に苦戦を強いられています。

派遣会社は、従来の募集媒体を中心にした採用活動から、未経験者や経験にブランクのある層を対象にした育成型の採用活動を取り入れるなど、採用方法に変化が見られています。

また、1社だけの派遣会社に登録する派遣スタッフは、ほとんどおらず複数の派遣会社に登録しています。
その場合、派遣スタッフも、派遣会社の品定めをしています。
登録面談でのコーディネーターの印象、登録会の内容、会社の雰囲気など、自分が就業した後まで信頼できる派遣会社かどうかなどを、コーディネーターを通して評価しているのです。

例えば、すでに求人媒体経由で仮登録しているにもかかわらず、登録時に登録カードを記入させたり、再度データ入力させられるケース、さらに面談でコーディネーターは、それをなぞるだけの面談など、派遣会社の配慮不足や、コーディネーターの面談技術が備わっていない場合、派遣スタッフの派遣会社に対する評価は、とても低くなります。
最近では、SNSなどを通じて、その評価が友達にまで伝わることになり、ますます応募者不足につながってしまいます。

それを避けるためには、コーディネーターの面談・アレンジ技術を向上させ、登録面談時からスタッフとコーディネーターの間にラポールの関係(信頼関係)を築かなければなりません。
また、ラポールの関係は、長続きしないため、絶えず、関係構築へ向けた努力をし続けなければなりません。

それがアレンジ技術です。

派遣会社の評価は、コーディネーターが直接話をする登録面談の場で決まってしまいます。
ここで、スタッフと信頼関係を築くことができれば、次の仕事紹介へ円滑に進むことができます。
逆に、信頼関係を築けず、不安を抱かせたまま帰してしまうと、せっかくの優秀なスタッフが他社に流れてしまうのです。
コーディネーターも他社との競争を意識して、自らのスキルを向上させましょう

派遣の仕事

予定通り臨時国会で成立すれば来年4月1日に派遣法再改正法が施行される予定ですが、来年10月1日に施行される「労働契約申込みみなし制度」にも注意を払っておかなければなりません。

9月29日に臨時国会が召集されました。
通常国会では法案の不備により廃案となった派遣法改正法案ですが、不備のあった条文を修正し、同日、閣議決定後同じ内容で再提出されました。
今国会での、成立は固いと見られています。
尚、法律の施行時期は、変更されず通常国会提出時と同じ2015年4月1日としています。

そのため、成立後は、当初より準備期間が大幅に短くなります。
そのあたりを踏まえて、派遣会社の皆さんは、できるだけ早く派遣先へ情報を提供し、準備を進める必要があります。

「労働契約申込みみなし制度」は、2012年の派遣法改正で規定されたものですが、施行まで猶予期間が設けられていました。
それが、いよいよ来年10月1日に施行されることになります。
労働契約申込みみなし制度とは、違法派遣であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合、派遣先は派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなすというものです。

派遣受入期間制限を免れるために、派遣契約から請負契約に切り換えている派遣先が増えています。
もちろん適正な請負に転換できている場合はよいのですが、派遣先が指揮命令するにもかかわらず、請負契約を締結していると偽装請負に当たります。

この場合は、派遣労働者に対して、雇用契約を申し込んだことになります。

請負の現場では、常駐している労働者は、数十人にのぼるケースがあります。
その全員を雇用する義務が派遣先に生じるのです。
派遣元並びに派遣先は、法律の内容をよく理解して、体制を整えるなど、早めに準備を進めましょう。

派遣法再改正法が施行されると、3年の派遣期間を満了した派遣労働者が希望する場合、派遣元は、雇用確保措置が義務付けられます。
平成27年(2015年)4月1日が施行日となると、3年後は、平成30年4月1日以降の雇用確保措置の義務づけが、労働契約法の「無期転換申込み」と同じ時期になります。その対応へも備えておく必要があります。

派遣の仕事

有名メーカーに勤務し、部署のリーダーとして一部人事にも関わっている知人から、こんな話を聞きました。

「最近、派遣会社の営業マンが、たぶん研修の意味も込めて飛び込み訪問に来るんだよね。
誰でも知ってる大手派遣会社が多いから、マナーや話し方もけっこうしっかりしてる。
ただ、内容がわりと画一的でさ、ほとんどが

『御社では派遣をご利用になっていますか?
単純な入力作業等を派遣社員に任せることによって、御社の正社員の方を、よりコアの業務に従事させることができます。』

って言うんだ。

まあ、単純作業中心に派遣社員を送っている会社が大半なんだろうし、派遣社員の人だって、そのほうが気楽だからそれを望んでいることもあるよね。
なので、営業マンがこういう営業トークをするのも分かるんだけど、でも考えようによっては、これって、自分の会社に所属する派遣社員の人にずいぶん失礼じゃない?
うちの派遣社員は単純な仕事にのみ向いています、
と言ってるような感じで。自分の経験に照らせば、派遣の人で能力の高い人もたくさんいるよ。
たしかに、当初は単純な作業から入ることが多いけど、たとえば、入力業務のような仕事をしながら潜在的能力を活かして高いレベルのITの知識をつけ、いわば社内のヘルプデスクとして欠かせない人材になった人もいたしさ。利用する側の問題でもあるだろうけど、最初っから「単純業務は任せてくれ」って業務内容を限定してしまうのは、ちょっとどうかなと?」

これは派遣会社に対する知人の所感ですが、人手不足の折り、人材の能力を最大限活用する必要性の高まる今、傾聴に値します。
たしかに、前述の営業トークにも一理あり、「単純作業で何が悪い?うちはこれでやっていくんだ」という方針の派遣会社もあるでしょう。
ただ、派遣の利用も、広くは人材活用の一環であることは忘れてはなりません。
第15号でも書きましたが、良くも悪くも人の能力は測りがたいものがあります。
正社員だけでなく、派遣社員についても、その人材の秘めている可能性にはもっと着目し期待して良いと思われます。

先の営業トークには派遣社員の方を傷つけてしまう懸念がありますし、そのようなトークに辟易した派遣先からは、「もうすこし別の言い方がないものかね?」と斜めにみられてしまう可能性すらあるのです。

自社の派遣労働者を顧客先に提案する前提としては、各社員の個々的な能力の「棚卸」が必要不可欠ですが、それとともに、それに見合った営業トークを開発していくことも重要です。

派遣先と派遣元の協働作業によって派遣社員の能力を引き出すことができれば、それこそまさに、派遣先正社員の方がさらに充実してコアの業務に携わることを可能にさせます。
この結果は、派遣先、派遣元、そして派遣労働者本人にとって満足なものとなるはずです。

派遣の仕事

先日、強めの地震がありました。
だいぶ揺れたように感じましたが、その時、私のいた中央区の震度は3でした。

ニュースでは即座に、福島県の状況について報道がなされました。

福島原発にはまだ心配があるのでしょう。

そこでは今も、震災後の処理等で多くの方々が奮戦しています。

安倍首相は五輪招致プレゼンの際に「The Situation is Under Control」と発言しましたが、その後もトラブルが起きました。

事実、国は東京電力任せにはしないと宣明しています。

ところで、福島原発で業務するのは、東京電力の社員だけではありません。

そこから発注を受けた協力会社と言われる各社が重層的に関与し、「請負」として仕事を行っています。
この福島原発に関し、かつてこんなことがありました。
委細は省きますが、あるトラブルが発生した際に、現場に東京電力の社員がいなかったというのです。
つまり、請負会社任せの状態だったわけです。
これに対しては、多くの方が「危ないのにけしからん!東電社員はきちんと現場にいて、トラブルが起きないように仕事を管理すべきだ!」
との所感をもったことでしょう。

ただ、請負の基礎に立ち返ると、これはそう簡単な問題ではないということに思い至ります。
「請負」という制度を「派遣」と比較してきちんと理解している人ならピンとくるでしょう。
「派遣」の場合は、派遣社員の従事する仕事は派遣先の事業の一部であり、したがって指揮命令、労務管理も派遣先から受けます。
これに対し請負の場合は、請負会社のスタッフが従事する仕事は、あくまでも自分たちが行う事業の一部です。

プロとして、独自の専門性を発揮して行うものであって、発注者のそれとは独立しています。
したがって、指揮命令、労務管理を発注者に委ねるのではなく、自らの専権事項として行うわけです。
これを貫くならば、請負現場において、東京電力の社員が下請けした請負業者を信頼して自分たちは口出しせず、その職務遂行に委ねることは、法律や告示等の
ルールからは正しいことになります。
反対に、要らぬおせっかいをしてしまうと、むしろ「偽装請負」になりかねなくなってしまうわけです。

これはかねてから「?」と思っていたことであり、事実、同様の指摘もあります。

たしかに、厚労省が出している「派遣と請負の区別に関する疑義応答集」のQ11によれば、

「発注者が、安全衛生上緊急に対処する必要のある事項について、労働者に対して指示を行う場合」は、そのような行為は偽装請負にはならないとされていますので、いくぶんは常識的な解決になっています。

ただ、緊急に対処する必要があることが要件となっており、解決は部分的です。
この点、製造業の構内請負に限ってはいますが、平成17年に改正された労働安全衛生法30条の2では、製造業の元請事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所で行われることによって生ずる労働災害の防止のため、随時、関係請負人との連絡・調整等を行わなければならないとして、法律によって根本的な手当てを行っています。

原発の現場は「Under Control」されてしかるべきですが、それでもなお、危険性の高い場所であることは想像に難くありません。
これは、製造業の構内請負と比較してもそのように言えます。
災害の発生を防止し、労働者の生命身体の安全を図るということは、「請負と派遣の区別」の問題よりも根源的な事柄のはずです。
それにふさわしいルール作りがあっても良いと思うのです。

派遣の仕事